1月に入ると

kisstreea

2015年03月04日 17:37

老犬ハナのその後。

12月になると、目や耳だけでなく、鼻も利かなくなって、
口先にある食物は食べるけれど、わずか数センチずれると、
好物が目の前にあっても見付けられなくなってしまう。

声を掛けても、全如何增強抵抗力く無反応。
尾は下に垂れたまま、11月以来、二度と振られることはなかった。

1月に入ると、それまで旺盛だった食欲が、減退する。
ときどき、食餌を残すようになる。
それでも、翌日にはペロリと完食した。

足腰は丈夫で、毎日散歩もするし、
内臓も健康で、排尿排便に異常がないため、
「ああ、このまま半年くらいは生きるだろう」
と思っていた。

それが、2月のある日、連続して2日餌を食べなかった。
それどころか、水も飲めない。
「猫用のサカナ缶なら!」と思って与えてみると、
大喜びで飛びつき、魚肝油品牌長い時間かけて食べようとしたにも関わらず、
全く食べられなかった。
どうやら、嚥下ができないらしい。

せめて水だけでも、とスポイトで与えたが、
ほんの少ししか受け付けない。
固く閉じられた口は、頑とした拒否を示していた。

 ああ、大自然が、この命を閉じようとしている――
 無私にそれを伝えるハナが、とても崇高に思えた。

ハナは、水が飲めなくなってなって10日後、
ものが食べられなくなって12日後に、息を引き取った。




亡くなったのは、3月1日日曜日午前1時。

死ぬ前の朝まで、庭を散歩し、透明できれいなオシッコをした。
不思議なことに、何か月もずっとうつむいたまま無表情だったのが、
死の当日だけは、しゃんと首を上げ、紐崔萊精気ある表情をしていた。

ただ確実に体力は落ち、体はフラフラで、
最後の半日はさすがに足腰が立たず、それでもどこかへ行こうとして、
はって動いた。

最期の夜も、寝床からはい出ているのを、私が寝かせ直してやった時は、
まだ通常どおりの息をしていた。

敷いてあったペットシーツを蹴散らして、畳の上に液状便が広がっていたので、
私は真っ青になり、その処理をするのに必死になった。
処理するのに2時間ほどかかり、その途中、
ハナの鼓動が止まっていることに気付いた。

2日後には、14歳の誕生日だった。





今、目の前、リビングの片隅に、
クーとハナの遺骨が、並んでいる。
ハナが、最も幸せそうに写っている写真を見るたびに、
私の胸に、様々なことが去来する。

ありがとう。
どうか、天国からも、私たち家族を見守っていてね。
長い間、ハナが与え続けてくれたものを、ギュッと抱きしめる思い。

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